グレーウールジャケットの塩素による変色が部分的な色修正で目立たなくなった色修正クリーニング事例（４，７３０円税込）

ご依頼いただいたのは、ビジネスシーンでよく着用されていたグレーのウールジャケット。

お客様が出がけにちょっと布巾の醤油シミが気になり、塩素漂白剤を使って漬け置きしとこうと使用したところ、跳ねてしまった漂白剤がジャケットについて塩素の影響でグレーの色が抜け、薄ピンクがかって白く変色してしまったそうです。

ジャケットは全体的にはまだ十分着用できる状態。しかし、前身頃に目立つ変色があることでとても着ることが出来ないと強いお悩みを抱えておられました。

しかもパンツとのセットアップだったとの事で簡単には諦められず、ご依頼頂きました。

＊ どのように処置を行ったか（工程・ポイント）

塩素による変色は、通常の染み抜きやクリーニングでは改善出来ません。繊維の色素そのものが抜けているため、色修正（リカラーリング） が必要になります。

今回の工程は以下の通りです。

変色部分の確認：生地の色合いや織り方をチェックし、どの程度の修正が必要かを判断。

塩素成分の完全除去：塩素は水で濯ぐだけでは完全に除去できない為、特殊な薬品を使って塩素成分を完全に除去し、変色戻りがないよう前処置を行いました。

ベースカラーの調合：グレーと一言で言っても、青みがかったグレー、赤みを帯びたグレーなど微妙に異なります。ジャケット全体と自然に馴染むよう、専用の染料を丁寧に調合しました。

部分的な色修正作業：変色部分に染料を少しずつ吹き付け、重ね塗りで色を近づけていきます。

仕上げの確認：光の当たり方や角度によって違和感が出ないかを確認し、自然な仕上がりになるよう調整。

結果として、どこに変色があったか分からないような仕上がりになり、再び安心して着用できる状態に復元できました。

「買い替えるしかないと諦めていましたが、こんなに自然に直るなんて驚きです。大切なジャケットなので、また仕事で自信を持って着られるのが本当に嬉しいです。今後は染み抜きやクリーニングで困った時は、まず相談させてもらいます！」

部分的な色修正は元の色ほど耐久性が無く、水洗いで落ちてしまう為、Tシャツやポロシャツなどご家庭で洗濯するような物には基本お勧めしていませんが今回のようにウールジャケットでクリーニング店でドライクリーニングする物ならば改善できるケースも多くあります。

「染み抜き屋」では、専門知識と技術を活かして、大切なお洋服を蘇らせるお手伝いをしています。

シミ取り・色修正・クリーニングでお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。